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サービス名のつけ方|AIで20案出して通る命名にする手順

公開日: 2026-05-03

新規サービスの名前は、事業の入口であり、検索結果でクリックされるかどうかを左右する一番の入口です。にもかかわらず、命名は「思いついた候補が良さそうだから」で決まりがち。後から商標が取れない・ドメインが空いていない・読み方が伝わらないといったトラブルが頻発します。本記事では、通る名前の5要素・避けたい命名のNG・AIで20案出して絞り込む手順を、実務目線で整理します。

なぜサービス名が事業の運命を分けるのか

サービス名は一度世に出ると変えづらい資産です。ロゴ・ドメイン・SNSアカウント・名刺・契約書・請求書・顧客の口コミ……すべてに紐づくため、ローンチ後の改名は取引先への通知だけで数十時間かかります。リリース直後はまだやり直しが効きますが、年商1,000万円を超えたあたりから「もう変えられない」状態になります。

さらに、サービス名はSEOの起点でもあります。指名検索(サービス名で直接検索される回数)が事業の規模を決めます。「覚えてもらえない名前」「他社と被って混同される名前」を選ぶと、広告費を投下しても指名検索が育たず、永遠にコールド集客から抜けられません。命名は最初の数日で決められる作業のうち、最もレバレッジが効くものです。

通るサービス名の5要素

1. 覚えやすい・口頭で伝わる

電話・対面・ラジオ・ポッドキャストなど、文字を見せずに伝わるかが基準です。「freee(フリー)」「マネーフォワード」「Slack」のように、聞いたまま打ち込めば検索できる名前が理想。スペル特殊な造語は最初の数年で覚えてもらえず、口頭紹介でロスが出ます。

2. 商標登録が取れる

商標登録できない名前は、後から競合に取られると差し止め請求を受けます。一般名詞そのまま・既存商標との類似は避けてください。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)の商標検索で、同区分(サービス内容のカテゴリ)に同名・類似名がないかは命名段階で必ず確認します。

3. 主要ドメインとSNSハンドルが空いている

.jp / .com / .co.jp のうち少なくとも1つは確保したいところ。X・Instagram・YouTube・TikTokなど主要SNSのハンドルも同名で取れるかを命名段階で確認してください。一部だけ取れて他は取れない場合、何年か後にハンドル統一できないストレスが残ります。

4. サービス内容が想起できる

完全な造語より、業界・機能・価値観のいずれかが想起できる名前のほうが、初見ユーザーの認知コストが下がります。「カミナシ(紙無し=ペーパーレス)」「freee(自由)」のように、由来を1秒で説明できると広告コピーも書きやすくなります。

5. 望むトーンと一致している

高級路線なのに親しみやすすぎる名前、テック感が必要なのに昭和感のある名前、はブランド毀損の元です。ターゲットが見たときに違和感がないか、想定する顧客層10人に音読してもらってチェックしてください。

避けたい命名のNGパターン

  • 読み方が複数あり、口頭で伝わらない造語
  • 一般名詞そのまま(商標が取れず、SEOでも他社に埋もれる)
  • アルファベット羅列の略称で、何の略か説明が必要
  • 創業者の名前そのまま(M&A・売却時の障壁になる)
  • 海外で別の意味を持つ単語(英語圏で侮蔑語になっていないか要確認)
  • 画数・占いだけで決めて検索性を無視
  • ドメイン・SNS・商標の確認を後回しにして決定

命名プロセスの6ステップ

  • 1. サービスのコアバリューと想定顧客を1行で言語化
  • 2. 望むトーン(親しみ/プロフェッショナル/革新的/高級)を3つに絞る
  • 3. AIツールで方向性別に20案ずつ出す
  • 4. 5案に絞り込み、声に出して読む・10人に意見を聞く
  • 5. 商標検索(J-PlatPat)で同区分の被りを確認
  • 6. ドメイン・主要SNSハンドルの空き状況を確認して最終決定

AIで20案出す手順

free-marketing-tools.jpの「サービス名メーカー」に、業種・コンセプト・望む印象を入力すると、20案がそれぞれ意味と印象分析付きで出力されます。

  • 1. 業種・ジャンル(例:家計簿アプリ、英会話スクール)
  • 2. サービスのコンセプト(誰のどんな課題をどう解決するか)
  • 3. 望む印象(親しみやすい/プロフェッショナル/革新的/高級感など7択)

出力例の使い方

20案出たら、ピンと来る5案にマークを付け、それぞれの「由来説明文」を5秒で読めるかチェックします。説明に2行以上必要な名前は、覚えづらいサインです。トーンが揃っているか、想定ユーザー層が違和感なく口にできるかも声に出して確認します。

商標・ドメイン・SNSの最終確認

  • 商標: J-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)で同区分の被りチェック
  • ドメイン: お名前.com・ムームードメイン等で.jp/.com/.co.jpの空き確認
  • X / Instagram / TikTok / YouTube ハンドルの空き確認
  • 英単語名なら、英語圏の俗語辞典(Urban Dictionary)で別意味がないか確認
  • 商号登記との重複(同一住所での同名法人は登記不可)

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よくある質問

Q. 英語名・カタカナ名・漢字名のどれが良いですか?
A. ターゲットによります。BtoBで決裁者が40〜60代なら漢字・カタカナのほうが安心感があり、BtoCの若年層向けなら英単語ベースのほうが先進的に映ります。ただし、英語名でもカタカナ表記が定着するケース(例: Slack→スラック)が多いので、最初からカタカナ読みで成立する綴りを選ぶと困りません。
Q. 商標は最初から取るべきですか?
A. 商標出願は1区分5万円程度・登録まで6〜10ヶ月かかります。ローンチ前に出願するのが理想ですが、最低限「J-PlatPatで同区分に被りがない」ことだけは命名段階で確認してください。出願は売上が立ってからでも遅くありませんが、確認を怠って先に他社に取られると名前を変えるしかなくなります。
Q. 候補が絞れない時はどうすれば?
A. 5案に絞った後、それぞれの名前で「ロゴが書ける気がするか」「サービス紹介の1分動画のサムネにしたとき映えるか」を想像してください。さらに、想定顧客層10人に「どんなサービスだと思うか」を音読+短い説明で聞き、サービス内容と一致するイメージが返ってくる名前を選びます。
Q. 創業者の名字を入れた名前はダメですか?
A. BtoB士業・伝統工芸など「人を売る」ビジネスでは有効ですが、SaaS・ECなどスケール志向のビジネスではM&A時の足枷になります。買い手企業から見ると「創業者離脱後にブランドが弱くなるリスク」と判定されるためです。事業を譲渡する可能性が少しでもあるなら、属人性のない名前を選んでください。