新サービスの名前を決めて立ち上げる手順|命名からキャッチコピーまで
- こんな人向け
- 新しいサービス・商品の名前をこれから決め、世に出す準備をしている個人事業主・中小企業の担当者
- 所要時間の目安
- 約60〜90分(候補を寝かせて選ぶ時間は別)
- 使う道具
- 各ステップで紹介する無料ツール(すべて登録不要)
新サービスの名前は「思いついた言葉でなんとなく決める」と、後から検索で埋もれたり、商標が取れなかったり、何のサービスか伝わらなかったりします。名前を決め、その名前を軸にキャッチコピーや会社紹介まで整える——立ち上げにはこの一連の流れがあります。この記事は、命名から立ち上げの言葉まわりを揃えるまでを6つのステップで案内します。各ステップで使う無料ツールはすべて登録不要です。
この記事の全体像
STEP1. サービス名の候補を出す
最初に、サービス名の候補をできるだけ多く出します。いきなり1つに決めようとせず、方向性の違う案を幅広く並べるのがコツです。「何をするサービスか分かる名前」「覚えやすさ重視の名前」「世界観を表す名前」など、タイプを変えて出します。
1案だけだと比較ができず、後から「もっと良い名前があったのでは」と迷います。候補を量で出しておくと、次のステップで比較・選定がしやすくなります。
このステップで使う無料ツール
入力と出力の例
入力例:サービス内容・対象者・伝えたい価値を入力
出力イメージ:タイプの異なるサービス名候補が複数。この段階では絞らず、後のステップで比較するための素材として全部残します。
次のステップへ進む判断基準
- 方向性の違う候補が、十分な数そろっているか
- 各候補が「何のサービスか」または「覚えやすさ」のどちらかの強みを持っているか
STEP2. ブランド名としての候補も併せて出す
サービス名だけでなく、ブランド名としての候補も併せて出しておきます。サービスが今後シリーズ化したり、複数の商品を抱えたりする可能性があるなら、個別サービス名より一段広い「ブランド名」の視点が役立ちます。
STEP1の候補とSTEP2の候補を並べて見ると、「このサービス単体の名前」と「将来の広がりを含む名前」のどちらが自社に合うかが見えてきます。両方の視点で候補を持っておくと、選定の判断がぶれません。
このステップで使う無料ツール
次のステップへ進む判断基準
- 将来の展開(シリーズ化・複数商品)を見据えた候補があるか
- サービス名候補とブランド名候補を並べて比較できる状態になっているか
つまずきやすいポイント
目先のサービス1つだけを見て名前を決めると、後で関連サービスを出したときに名前が噛み合わなくなります。将来の広がりも一度は考えておきます。
STEP3. 候補を実用面でふるいにかけ、1つに決める
候補が出そろったら、「響きの良さ」だけでなく実用面でふるいにかけます。具体的には、(1)同名のサービスが既に存在しないか、(2)関連するドメイン名やSNSアカウントが取れそうか、(3)読み間違い・打ち間違いが起きにくいか、(4)商標上の問題がないか、を確認します。
この確認は、思いついた名前を使い始めてから問題が発覚すると、やり直しのコストが非常に大きくなります。商標については、判断に迷う場合は専門家(弁理士)への相談が安全です。実用チェックを通過した候補の中から、最終的に1つを選びます。
次のステップへ進む判断基準
- 同名サービスの不在・ドメインやSNSアカウントの取得可否を確認したか
- 読み間違い・打ち間違いが起きにくい名前か
- 商標上の懸念がないか(不安なら専門家に相談したか)
つまずきやすいポイント
名前を気に入って使い始めてから商標やドメインの問題が見つかると、サイト・名刺・印刷物まで作り直しになります。決定前に必ず実用チェックを通します。
STEP4. サービスを一言で表すスローガンを作る
名前が決まったら、そのサービスが「何を約束するか」を一言で表すスローガンを作ります。スローガンは名前とセットで使われ、名前だけでは伝わらない「サービスの価値・姿勢」を補います。
スローガンは流行り言葉や抽象的なきれいごとではなく、サービスが本当に提供できる価値に基づいて作ります。長く使うものなので、数案出して少し寝かせ、時間をおいても良いと思えるものを選びます。
このステップで使う無料ツール
次のステップへ進む判断基準
- スローガンが、サービスの実際の価値に基づいているか(誇張でないか)
- 名前とセットで使ったときに、意味が補い合っているか
つまずきやすいポイント
その場のノリで決めたスローガンは、後で見ると古臭く感じることがあります。数案を寝かせて、時間をおいても良いと思えるかを確かめます。
STEP5. 場面別のキャッチコピー・PR用の一言を作る
スローガンが「常に使う一言」だとすれば、キャッチコピーは「場面ごとに使い分ける言葉」です。広告用・LP用・SNS用など、使う場所によって響く長さや表現は変わります。場面に応じた複数のコピーを用意します。
あわせて、プレスリリースや紹介記事で使う「PR用の一言(タグライン)」も用意しておきます。これはニュースとして語るときの切り口になる言葉で、立ち上げの告知や取材対応のときに役立ちます。立ち上げ時に必要な言葉を、場面別に一通り揃えておくのがこのステップです。
このステップで使う無料ツール
入力と出力の例
入力例:サービス名・価値・使う場面を入力
出力イメージ:場面別のキャッチコピー案と、PRで使えるタグライン案。立ち上げの告知・広告・取材対応で、それぞれ適した言葉を選んで使います。
次のステップへ進む判断基準
- 広告・LP・SNSなど、使う場面ごとのコピーが用意できているか
- PR用の一言が、ニュースとして語れる切り口になっているか
STEP6. サービスを載せる会社紹介を整える
最後に、新サービスを世に出す土台として、会社紹介(会社概要・運営者情報)を整えます。新サービスのページや、プレスリリース、問い合わせ対応で「これは誰がやっているサービスか」を伝える部分です。サービスが新しいほど、運営元の信頼情報が判断材料になります。
会社紹介には、事業内容・運営者・連絡先などを誇張なくまとめます。一度きちんと作れば、サービスサイト・リリース・各種申請で使い回せます。これで、名前・スローガン・コピー・運営元情報という立ち上げの言葉一式がそろいます。
このステップで使う無料ツール
次のステップへ進む判断基準
- 「誰が運営するサービスか」が、誇張なく伝わる会社紹介になっているか
- サイト・リリース・申請などで使い回せる形に整っているか
つまずきやすいポイント
新サービスのページに運営元の情報がないと、利用者は「ちゃんとした会社か」を判断できません。会社紹介と連絡先は、立ち上げ時に必ず用意します。
実際に使ってみて — 正直なところ
このワークフローを実際に進めるうえでの所感・向き不向き・限界を、運営者の立場で正直に書いています。
サービスの命名で後悔が出やすいのは、STEP3の実用チェックを飛ばしたときです。響きが気に入った名前で進め、後からドメインが取れない・同名サービスがある・商標が引っかかる、と発覚すると、作り直しの範囲がとても広くなります。命名は「気に入る」より「使い続けられる」を優先する場面です。
正直なところ、AIはサービス名やコピーの候補を大量に出すのは得意ですが、「どれが自社に最適か」は判断してくれません。最終決定は、実用チェックと自社の方向性を踏まえて人が行う必要があります。AIは選択肢を広げる道具と捉えてください。
向いている人
- 新サービス・新商品の名前をこれから決める人
- 名前だけでなく、立ち上げに必要な言葉(コピー・会社紹介)も一通り揃えたい人
向いていない人・別の手段がよい人
- 既存サービスのリブランディングが目的の人(この記事は新規立ち上げの手順です)
- ロゴ・デザインなど視覚面の制作を知りたい人(この記事は言葉まわりの手順です)
このやり方の限界・注意点
- STEP3の商標確認は、検索で「明らかな衝突」は分かりますが、最終判断は専門家(弁理士)に委ねるべき領域です。
- この記事は名前とコピーなど「言葉」を扱います。ロゴ・配色・サイト制作はカバーしていません。
- AIが出す名前・コピー案は素材であり、自社に合うかの判断と実用チェックは人の作業として残ります。
仕上げ・次にやること
新サービスの立ち上げは、名前を決めて終わりではありません。名前を軸に、スローガン・場面別コピー・会社紹介まで揃えて、初めて世に出す準備が整います。STEP1〜6を通せば、立ち上げの言葉一式が手元に残ります。
とくにSTEP3の実用チェックは省略しないでください。名前は後から変えるコストが最も大きい要素の1つです。気に入った候補ほど、決定前に冷静にふるいにかけます。
さらに詳しく知るための関連ガイド
よくある質問
- Q. サービス名は何を基準に選べばよいですか?
- A. 「響きの良さ」だけで選ばないことが重要です。STEP3のとおり、同名サービスの不在・ドメインやSNSアカウントの取得可否・読み間違いの起きにくさ・商標上の懸念を確認し、それを通過した候補から選びます。実用面のふるいを通すことが、後悔を防ぎます。
- Q. 商標は自分で確認できますか?
- A. 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、同じ・似た商標が既にあるかを検索できます。ただし「登録できるかどうか」の最終判断は専門的で、似ている範囲の解釈も難しいため、不安がある場合は弁理士への相談が安全です。
- Q. スローガンとキャッチコピーは何が違いますか?
- A. スローガン(STEP4)は名前とセットで常に使う「サービスの約束を表す一言」です。キャッチコピー(STEP5)は広告・LP・SNSなど場面ごとに使い分ける言葉です。スローガンは1つに固定し、キャッチコピーは複数を用意するのが基本です。
- Q. 名前は短いほうがよいですか?
- A. 一般に短く覚えやすい名前は有利ですが、「短い=必ず良い」ではありません。何のサービスか伝わること、読み間違いが起きないこと、検索したときに自社が見つかることも同じくらい大切です。STEP3の実用チェックで総合的に判断します。
- Q. AIが出した名前をそのまま使ってよいですか?
- A. AIの候補は素材として優秀ですが、そのまま採用するのは避けてください。STEP3の実用チェック(同名・ドメイン・商標)を必ず通します。AIは「どれが最適か」までは判断できないため、最終決定は人が行います。